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小説「ふしだらな妄想」(13)休憩時間 [小説]

「研修の続きを始める前に、その濡れたパンティを着替えてきなさい。」
私は、レイコの興奮がおさまるのをみて言った。
「でも・・・私、替えの下着なんかもって来てません。」

・・・当然だ・・・

「大丈夫。更衣室に新しい下着を何枚か用意してあるから、好きなのを選んで
着替えてきなさい。」

「私のために、そんなものまで用意して下さったのですか?」

「ああ・・。わが社は社員の福利厚生には熱心だからね・・・。
君も充実したセックスライフ・・いや間違えた。オフィスライフをおくれるよ。
それに、レイコ君の努力しだいでは、ボーナスもドンとはずむから、がんばってくれたまえ。」
「はい!わかりました。それじゃあ私、着替えてきます。」

レイコは更衣室に入ろうとした。私は そこを引き止めてこう言った。
「その間に、私は一仕事済ませるから、着替えが済んだらそのまま更衣室で30分ほど休憩していなさい。さっきの研修はきつかったからね。」
 私は紙コップにコーヒーを注いで彼女に手渡した。

「ありがとうございます。それじゃあ、休憩させていただきます。」
更衣室のドアが閉まり、内側から鍵のかかる音がした。
さあ・・私も一仕事するか・・・

なんて ウソ ウソ
机の上のパソコンを立ち上げ、WEBカメラのスイッチオン!
賢明な読者はもうお気づきだとは思うが、そう、更衣室には小型カメラが仕掛けてあるのだ。
更衣室内でのレイコの行動は私のパソコンの画面に写しだされる。カメラは巧妙に火災探知機に偽装されているので彼女に気づかれる心配はない。

大金をはたいて買ったこのカメラはズームやカメラの回転がパソコンの操作で出来るのだ。
心縛法を使えばレイコの裸を見るのは簡単だが、この覗きというのも、ある意味直に裸を見るより興奮するものだ。

 さあて、レイコの着替えシーンをじっくり拝見しましょうか・・・。
彼女はまず、さきほどのコーヒーを窓際のテーブルに置くと、まずロッカーの中の自分のバッグから櫛を取り出して、乱れた髪を丁寧に整え始めた。

・・・レイコ君・・そんなことはどうでもいいんだよ・・・早く着替えなさい・・・。
 髪を整え終わると、今度は窓のブラインドを上げて外の景色を眺めながらコーヒーを飲みだした。
・・・いったい、何をしてるんだ。・・・
私がやきもきしていると、やっと彼女は他のロッカーの扉をひとつずつ開け始めた。
・・・おっ やっと新しいパンティを探し始めたぞ・・・
一番端にある扉の中にパンティを見つけた彼女は、それをテーブルの上に並べどれにするか選び始めた。どれもこれも私がネット通販で見つけたエロいパンティばかりだ。

そのうちの一枚を選んだ彼女はなぜかそのパンティを自分の鼻に当てて匂いをかぎ始めた。
・・・おいおい、何で匂いなんか・・・新品だよ、それ・・・
まったく、誰も見てないと思うと何をするやら・・・。

 そして やっとおもむろにスカートを下ろすと、パンストを脱ぎ始めた。脱いだパンストはそのままくずかごに捨てた。どうやらパンストの替えはもって来ているらしい。
・・・さあ いよいよだ・・・。

彼女は自分の愛液で湿ったパンティに両手をかけると、クルリと隠しカメラに背を向けて一気にずり下げた。レイコの白く形のいいお尻がむき出しになる。
・・・おおおお・・・
私のモノは一気に脈打ち始めた。しかしカメラに背を向けているために肝心の前の部分が見えない。

・・・今度の日曜日に反対の角度でも見えるようにカメラをもう一台増設するか・・・。
レイコは脱いだパンティを無造作に丸めて自分のバッグにしまいこんだ。すると、今度はそのバッグから口紅を取り出すと、下半身丸出しのまま、鏡の前で化粧を直しはじめた。

 

・・・これは、これは・・いい眺めじゃ・・・。
顔を鏡に近づけて、一生懸命口紅を塗りなおしている。上半身を前に倒しているので、自然とお尻をカメラに向けて突き出すようなかっこうになっている。

・・・うおぉぉ、こりゃあたまらん!ズームアップじゃあぁ!お宝が拝めるかもしれん!・・・
ところが、カメラの角度が悪かったのかズームアップするとレイコのお尻が画面から外れてしまった。


急いでカメラの角度を調整するがなかなかうまくいかない。その操作にもたもたしている間に、レイコは口紅をぬりおえてしまった。

・・・しまった!もっとカメラ操作の練習をしとけばよかった。・・・
私は一瞬落胆したが、その直後そう気落ちする必要も無いことに気付く。なぜなら その落胆を一気に吹き飛ばすような ものすごい場面を目撃することになったからである。


小説「ふしだrな妄想」(12)業務研修 [小説]

「さぁ、次はレイコ君の仕事を説明しよう。これが君のデスクだ。」

自分の机と向かい合わせに置いてあるレイコの机を指差した。机の上には電話機とパソコンが載せてある。仕事中でもレイコの美しい顔が見れるように この配置にした。

「それじゃあ、具体的に説明するからここに座ってみて。パソコンはつかえるよね?」
「ええ。まぁ簡単な事なら・・・。でも あまり自信がないです。」
彼女は椅子に腰掛けると、助けを求めるような目で私を見つめた。

「大丈夫。そんなに難しいことはしなくてもいいんだ。それに、わからないことは私が丁寧に教えてあげるから。なにも心配する事はないよ。ちょっとマウスを持ってみて。」

私は座った彼女の後ろに回り、背中から覆いかぶさるようにマウスを持った彼女の右手に自分の手を重ねた。レイコの髪のいいにおいが私の鼻腔をくすぐる。

「そして まず画面のここをダブルクリック。あれっ?」 ファイルが開かない。
彼女の指の上からなのでうまくダブルクリックが出来ないのだ。
私はマウスから手を離していった。

「うーん、駄目だな。ちょっと自分でダブルクリックしてみて。そう人差し指で二回カチカチって・・・。」

・・・・カチッ・・・カチッ・・・・ 駄目だ開かない。
「ダブルクリックのスピードが遅すぎるんだな。もっと間隔をつめて、カチカチって」

・・・・カチッ・・カチッ・・・・ まだ遅い。
「すみません課長。私不器用で・・・。」 レイコは困った顔で私を見上げる。

「レイコ君、そんな泣きそうな顔をしなくても大丈夫だよ。すぐに出来るようになるから。それじゃあ、私が開発した初心者用ダブルクリックのトレーニング方をやってみるか・・・。」

私はもう一度レイコの後ろからおおいかぶさり、今度は右手をレイコの脇の下を通して手のひらで乳房を下から持ち上げるような位置にもっていった。レイコの体にビクッと緊張がはしる。

「じゃぁ もう一回やってみて。」
「はい。」・・カチッ・・カチッ・・。
「ダメ、まだ遅い。いいですか、このタイミングで。」

わたしは下から乳房を持ち上げている右手の人差し指でレイコの乳首と思われる場所を二度軽くたたいた。 

・・・・ツンツン・・・・・

「アハッ・・・」レイコの口から息がもれた。
「わかった?このタイミング。」・・・・ツンツン・・・・・もう一度乳首をタッピングする。

「ええ、わかったような・・・わからないような・・・こうですか?」
・・カチッ・カチッ・・

「ちがう ちがう。こうだよ。」・・・・ツンツン・・・・・

「アフッ こうですか?」・・カチッ・カチッ・・

「ちがう。こう。」・・・・ツンツン・・・・・

「まだダメだな・・・」
「すみません。なんだか指先の力がぬけてきちゃって・・・」

「君も案外不器用だな。しょうがない、ダブルクリックトレーニングのバージョンアップ版をためしてみるか・・・。」
「バージョンアップ版ですか?」
「そう、今度はこうやって・・・。」

わたしは乳房を支えていた手を今度は太ももの内側からスカートの中に滑り込ませた。
パンストのザラザラ感が妙にいやらしい。
そして手のひらを下着の上からレイコの恥丘にあてがうと中指でレイコの秘所をまさぐり始めた。
「ちょっと待ってね。今無線LANスポットを検索してるから・・・。」などと訳のわからないことをいいながら、さらに指をすべらせる。

「あの・・・。」レイコが恥ずかしそうに口をひらいた。
「わたし・・無線何とかスポットって良くわからないんですけど・・・もうちょっと・・う・・・うえの・・・上の・・ほうカナ?・・・。」と小さな声でいう。

「ああ・・そうなの。ありがとう。」わたしは伸ばした中指を折り曲げてもう少し上の方を検索してみた・・・。
 あった!

さっきの乳首ツンツントレーニングのせいで、レイコのクリストルは勃起気味だ。しかも明らかに下着の中は蒸れ初めている。指先が温かい。

「レイコ君。今日はなんだか湿度が高いなぁ。まあ いいか。それじゃあバージョンアップ版はじめるよ。」
「はい・・・。でも課長・・・なんだか恥ずかしい・・・。」
「何をいってるんだ。これはあくまで新人研修なんだから。これが出来るようにならないと業務に支障をきたすからね。もう少しかんばってもらわないと・・・。」
「わかりました。泣き言いってすみません。・・・それじゃあ レイコはじめます!」

・・カチッ・カチッ・・
「ダメ!ちがう!こうだ!」
クリちゃんを・・・ツンツン・・・・・
「ああーっ!こうですか?」・・カチッ・カチッ・・
「だからちがうって!」・・ツンツン・・

「ウッ」たまりかねたレイコは体を前に折り曲げた。
「だめじゃないか。そんな姿勢では正しいダブルクリックはできないぞ。さぁ背筋を伸ばして!。もう一回!このタイミングだ!」・・ツンツン・・

「ああーいぃー。課長!・・・もっと・・・」
「何?もっと?そうか、レイコ君もついにやる気になってきたようだな。ようーし、連続クリックだ。それ!」

・・ツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツン・・

「課長ー!いいっー。あっ あっ・・・あー。」

前かがみのレイコは、あまりの快感に今度は体をのけぞらせた。両足を前に投げ出し、椅子の背もたれか壊れるのではないかと思われるほどツンツンのリズムに合わせて体を振るわせている。
「レイコ君、声が大きいよ。もっとトレーニングに集中したまえ。」

 私はツンツンの指を一旦そこから離すと、お腹の辺りまではわせて、パンストの中に手を差し込んだ。さらに手を下まで滑り込ませ、ついに小さなパンティのなかまで進入させた。
 やわらかいレイコの恥毛の感触が指先に伝わる。やさしく恥毛をなでるようにさらにその先に指をすすませた。そこには生温かい愛汁にまみれ、快感にふくれあがったレイコのクリストルがあった。
 先ほどとはうってかわって、今度はゆっくりとやさしくクリストルを刺激する。レイコのそれはぬるぬると 私の指の周りにまとわり付く・・。ゆっくりと指を上下に動かす。レイコは目を閉じて必死に快感をかみ殺している・・・。
 私の指の上下運動のスピードが徐々にました。
「どうだね?このトレーニングは?」
「いい。とっても気持ちいいー。課長・・も・・もっと」
「よし、わかった。トレーニングの最終仕上げだ。」
閉じていたレイコの目がうっすらとあいた。のけぞらせたレイコの頭が徐々に持ち上がってきて、私の顔に近づいた。そしてもう一度目を閉じると私の唇に吸い付いてきた。
わたしは指の動きをさらに速めながら、レイコの唇をすった。さらに舌を差し入れ、レイコの舌にからませた・・・。

差し入れた舌をのばして歯茎のうらを刺激すると、もう我慢できなくなった彼女は完全にマウスから手をはなし両腕で私にしがみついてきた。私は唇を押し当てたまま彼女の前にまわり、パンティの中の指の動きをさらに速めた。下腹が小刻みに振るえはじめると、レイコは体を弓なりにそらせ、唇を離して再び声をあげ始めた。

「あっ あっ あっ あっ 課長!もうだめです。あっ あっ あっ あっー。」
「何がだめなんだ。」
「いいぃー、あっ あっ、いいぃー!」
「いいのかだめなのか、どっちなんだ?」
「いいぃー!気持ちいいけどもうだめぇー!あああああー イクっ イクっううう!」

彼女は投げ出した両足をピンとのばして震わせると、両モモでわたしの手をギューっと挟み込んだ。のけぞらした頭を再び持ち上げると、彼女は体を丸めるようにくねらせた。
快感の波がレイコを頂上までもちあげたらしい・・・。
私の指にレイコの膣の痙攣がつたわってくる。

「はぁぁあー。」彼女はためていた息を吐き出すと、眉間の皺をゆるめ、もちあげらえた波のうえで漂いながら快感を満喫している・・・。私は彼女のパンティの中から、ねちょねちょに濡れた指をそっとぬいた・・・。

レイコは薄く目を開けると 再び私の唇をもとめてきた。長いキスの後、レイコはこうつぶやいた。

「・・・・課長すみません・・・ダブルクリック、マスターできませんでした・・・。」
「うーむ、そう落胆しなくてもいいよ。また、いつでも特訓してあげるから・・・。」
そう言って私はもう一度軽くレイコの乳首をツンとたたいた。
レイコは無言のままコクリとうなづいた。

「まぁ、そうはいっても、ファイルを開けないようじゃ仕事にならないからな・・・。」

わたしはもう一度レイコにマウスを持たすとその上から手をそえて ファイルにカーソルをあわせ彼女の指の上から右クリックをした。

「こうやって、この(開く)を押せば、ファイルが開くから・・・」

顧客名簿のファイルは簡単に開いた。

「ええぇー!ダブルクリックじゃなくてもひらくんですかあ。それじゃあさっきのトレーニングはなんだったんですかぁ?」
レイコは 例の目つきで私をにらんだ。

おい おい やめてくれ。その目つきで私をにらむのは・・・。
そうでなくても極限まで肥大化した私のモノが また暴発してしまうじゃないか・・・。


小説「ふしだらな妄想」(11)達成 [小説]

一週間の間に事務所内の窓のない一角に休憩室を設けた。
もちろんレイコと午後の時間を楽しむためだ。
休憩室にはベッドをいれ、簡易シャワールームも取り付けた。

これほど一週間が待ちどうしかったことはなかった。すべての準備を終え月曜日を迎えた。

私のモノは期待で朝からビンビンである。
これまで入念に計画して進めてきたことが今日実現する。

朝九時・・・事務所のドアが開いてレイコが出社してきた。
今日の服装はグレーのスーツに黒のストッキング。
しかも、メタル枠のメガネまでかけている。彼女はどうも形から入るタイプらしい。
この手の女性はコスプレなんかのりのりでやるに違いない。

「おはようございます。課長。今日から宜しくお願いします。」
と挨拶するレイコに私はとっておきの言葉を投げつけた。

「おはよう。レイコ君。今日から君もわが社の社員だ。 ○X△☆☆~#<Ф だから勤務中は、上司である私の命令にはどんなことでもどんなことでも従うように。わかったね。」

「はい、わかりました。社員として当然です。」

「よろしい。それではまず、あちらに更衣室があるから制服に着替えてください。そのスーツもなかなか魅力的なんだがね・・・。・・・そうだ。初めての服で着方がわからなかったらいけないので、私が着替えを手伝ってあげよう。」

 これは、彼女に心縛法が効いているかどうかのテストだった。もしかかっていなかったら当然拒否するだろうし、そのときは冗談ということで済まそうと思っていた。

「やだぁ課長。着替えぐらい一人でできますよ。最初から受けようとおもって冗談ばっか言って。」
「・・・えっ・・・」
これには意外だった。心縛法は効いてないのか?
そんな私を尻目に彼女は一人で更衣室に入ると内側から鍵をかけてしまった。
・・・???なんで・・・?命令に従うはずだが・・・・?・・・命令じゃなかったのかな?今のは。・・

そんなことを考えていると着替えの終わったレイコが出てきた。

「課長!この制服、サイズが小さくありません?ちょっとスカートが短すぎるような気がするんですけど・・・。」

一所懸命にひざ上の丈のスカートを下に下げようと引っ張っている。

「それでいいんじゃないかなぁ。上はぴったりだし。それに私は短いスカートが大好きだ。」

「さっそくセクハラですか?」

「とんでもない。君が非常に魅力的だっていってるんだよ。ちょっとここを触ってみなさい。」

私は自分の膨れ上がったズボンの又の部分を指差し、今度は命令口調で言ってみた。
・・・さぁ 今度はどうだ・・・

 はたして レイコはその場にしゃがむと自分の顔の前にある私の股間にそっと手をのばしてきた。
・・・やったぞ。・・・

しゃがんだために短いスカートの隙間からパンティが露わになってる。うう-っ エロい。

レイコは下から私の顔を見上げながら、両手で包むようにやさしくわたしの股間をなでまわした。

「まぁ。こんなに硬くなってる・・・。」

そういいながらも撫で回す手を止めようとしない。
私はあまりの快感に声を上ずらせながら言った。

「だろ?これも君の魅力のせいだ。さぁ、もうその手を離してくれ。いっちゃいそうだ。」
そういうと やっとレイコは私の股間から手を離した。

・・・・夢がかなった・・・。

今日からこの事務所はレイコと私の性のパラダイスとなるのだ。


小説「ふしだらな妄想」(10)面接 [小説]

次の朝、会社にレイコから電話があった。勤務の条件について もう少し詳しい話を聞いてから決めたいと言った。
小さな子供を持つ主婦としてはそれが当然だろう。午後から条件面を話し合うということで こちらの会社に来てもらうことにした。夫からの反対はなかったようだ。

 私は事務所のイスに腰掛けて、昨日のレイコとの別れ際のことを思い出していた。
・・・・自分のモノに指一本触れずに射精した感覚・・・・
・・・・究極の快感だった。・・・

 長い間の禁欲生活も関係していたかもしれないが、自分の体があんなになってしまうなんて想像もしなかった。 

 まもなくだ。まもなくレイコを自分の物にできる。
 私はレイコとの痴態を想像しながら、時間をすごした。

 午後になり、一時を少しまわったころ、ドアをノックする音が聞こえレイコが入ってきた。
「失礼します。」
「よく来ていただけました。さぁこちらへおかけください。」
 ソファのある応接ブースへ彼女を案内する。
・・・わぉ!いつものジーパン姿と違って 今日は黒のスーツ姿だ。・・・・
それに薄く化粧もしている。しかも、座面の低いソファに座ると、ひざぐらいまであった黒いスカートの裾が太ももの半ばくらいまでひきあげられた。
 ・・・こりゃあ たまらん・・・
思わず視線が座ったレイコの両膝から太ももに走る。

レイコは事務所内の様子を確かめるようにあちこちと見回している。視線を移そうと体をひねった瞬間、座っているレイコの両膝がわずかに開いた。
・・・わっ!見えた!・・・・
スカートの奥は暗くてよく見えなかったが、一瞬開いた両膝の間からデルタ地帯が見えたような気がした。私のモノはズボンの中ではちきれんばかりに膨張した。彼女のパンストの下に透けて見える小さな白いパンティーを想像すると・・・我慢できん・・・
いっきにこの場で心縛法をつかってやっちゃうか?
・・・いや いかん、いかん。最初からこの調子では・・・。

「今日はまるで女子大生の会社訪問のような姿ですね。いやぁ、ばっちりきまってますよ。」
軽い冗談で自分の気持ちをほぐす。

「まぁ!女子大生だなんて。・・・でも 気持ちはそんな感じです。学校を出てから、結婚するまでの間、実家の商売の手伝いをしていましたから、私、会社務めの経験がないんです。それでも大丈夫でしょうか?。」

「ええ。まったく心配要りません。やっていただくことは簡単なことばかりですから。わからないことがあれば私が丁寧に教えますから。」

・・・本当は仕事なんてまったくしなくてもいいんだ。仕事以外のことも手取り足取り丁寧におしえてあげるよ・・・

「あの・・・ほかの社員の方は今日はお休みですか?」
「ああ。いえほかに社員はいません。社長と私だけです。・・・といっても社長は月に何度か出てくるだけですので、実質 私一人です。・・・一人だと何かと不便で。それで是非、あなたに来ていただきたいのですよ。」

普通なら、事務所の中で男性と二人きりになるなんて、当然警戒するはずだが、彼女はそのことには全く無頓着だった。昨日の心縛法がまだ効いていて、彼女は私に安心しきっている。

「そうですか・・。それじゃあよくドラマであるようなOLの新人いじめなんてこともないわけですね。」と彼女は的外れなことを言った。

・・・なるほど。この美貌だ。学生時代なんかは、男からはチヤホヤされても、同性からは結構やっかみ半分で いじめられていたのかもしれない。

「ええ。そういった心配は何もありません。それではほかの条件面について説明させてもらいます。」
 
 給料のこと、子供さんの保育園への転入のこと。その他勤務時間等説明した。この時期子供の保育園への転入は難しいが、・・・それも市役所で心縛法を使えば簡単に解決できる。

「わかりました。それではこちらでお世話になることにします。・・・あの・・・それで一応履歴書なんか持ってきたんですけど・・・。」
「ああ!うっかりしてました。まだお名前も伺ってなかったですね。」

私は彼女の差し出した履歴書に目を走らせた。当然そこには名前もかかれてあったが、私はそこは見ないようにした。最近老眼が進みつつあり、メガネをかけないとよく読めないのだが、わざとメガネを出さなかった。文字がぼやけてよく見えない。
ほかの部分も読むふりだけして履歴書をおいた。

・・・・しかし これだけは譲れない。・・・・

「ただひとつだけ条件があります。○X△☆☆~#<Ф この会社ではあなたのことを本名ではなく レイコ君と呼ぶことにします。いいですね?」

「ええ、わかりました。」何の迷いもなく彼女は承諾した。

・・・そう レイコはレイコでなければならないのだ。・・・・

「それでは今週中に保育園への転入手続きを私がやりますので、来週の初めから来ていただくということで・・・。」

「はい。」彼女は席を立った。出口に向かう彼女を後ろから抱きしめたい衝動に駆られたが、ここは我慢我慢・・・。

 計画は順調に進んでいる。いよいよ来週だ。


小説「ふしだらな妄想」(9)計画実行 [小説]

「すみませんが こちらの方に用がありますので、○X△☆☆~#<Ф あなたがたは、お帰りください。このことは誰にも言わないように・・・。」
 
 はく息が白くなり始めたころ、私はいよいよ計画を実行に移した。
 レイコたちの集団が、子供を幼稚園に送った後の帰り道でわたしは彼女を待った。悪い事にレイコは他の母親たち数人と一緒に戻ってきた。邪魔になる他の人たちを 心縛法で帰すとその場にレイコだけが残った。他の母親たちが、あまりにあっさりとその場を去ったので、レイコは不安になって、歩き去る彼女たちの背中を目で追った。
 そう、さっきは他の母親たちに心縛法で話しかけたので、レイコにはまだその効果は及んでいない。まず、彼女の不安を取り除かなくてはならない。

 「いえ、けっして怪しい者ではありません。○X△☆☆~#<Ф どうぞ安心してください。」
私は自分の名刺を差し出した。何の迷いもなくレイコはその名刺を受け取った。よし、かかった。

 こうして レイコと話をするのも、こんなに近くで彼女を見るのも初めてだった。わたしはその名刺の文字を目で追う彼女の顔を見つめた。
 ・・・・ため息が出るような美しさだ・・・。

 レイコは顔をあげると、こちらを向いた。何の不信感も持っていないすがすがしい表情だ。
 しかし、彼女の口から発せられた言葉は 意外だった。

 「それで、コンサルタント会社の方が、私に何の用でしょうか?調査とかアンケートとかですか?だったら、申し訳ありませんけど、お断りします。」
 そう言うと 彼女は私の目をキッと睨んだ。

 ・・・あのときの目だ。・・・

 そう、私が通勤途中に初めて彼女を見つけ、車の中からその顔に見とれていたときに私を睨み返した、あの時と同じ目だ。

 私の身体の中心に電気が走った。すばらしい目だ。その目で睨まれると、体中がぞくぞくする。太ももの内側から力が抜けて足がガクガクし始めた。・・・落ち着け。・・・自分に言い聞かす。

 「いえ。そういった類のことではありません。」やっとのことで返事をした。
 「実は・・・・。」

 私は、しどろもどろになりながらも、何とか自分の会社の事務員を探している事を説明した。
説明しているあいだじゅう、彼女は私をにらみ続けた。
・・・・たまらない。その目で睨み続けられると、どうにかなってしまいそうだ。・・・
 
 私は下腹部に自分の体液が流れ込んでくるような感覚に必死に耐えながら説明を続けた。
 気が付くと自分の肛門の筋肉を力いっぱい締めつけている。いったい私の身体はどうなってしまったんだ?

 「・・・・まぁ、ここで今すぐご返事をいただくつもりはありませんので どうかご家族と話し合って、明日 電話で結論をいただければ・・・。」
 やっとの事で私は話し終えた。肛門の筋肉は締めつけたままだ。

 「わかりました。この名刺の電話番号にかければいいんですね。今夜 主人が帰ったら相談してみます。」
 彼女は軽く微笑むとその場を離れようとした。

 「必ず、電話してください。いい返事を待っています。もしご主人が反対なら、私が直接会って説得しますから。」・・・これだけは言っておかなければ、電話をかけてこないかもしれない。

 「ええ、わかりました。・・・でも何故私に?それだけお給料出すって言えば応募する人はいくらでもいるでしょ?」
 「・・・あなたが とても美しかったもので・・・。」
 つい、本音が出てしまった。
 「まぁ。お上手ね。」
 再び彼女は 例の目つきで私をにらみつけると、帰っていった。

 何か妙な展開になってしまった。有無を言わさず心縛法で彼女を事務員にしてしまうつもりだったのに・・・・。

 彼女の後姿を見ながら 私は ふうーと息を吐いた。身体の力がいっきに抜けた。
 かたちのいいレイコのお尻を見ていると突然、

体中をこれまで感じたことの無い快感が走り抜けた。激しい快感が私の下腹部を波のように何度もおそった。

 ・・・えっ!ああ~っ!!・・・
 下着の中がなま暖かくなった。
 ・・・まさか!・・・・

 私は、遠くなっていくレイコの後姿を見ながら、射精してしまったのだ・・・・。


小説「ふしだらな妄想」(8)会社設立 [小説]

私は すっかり夜が明けてから 帰宅した。妻は何もとがめなかった。
シャワーを浴びるとそのまま出勤した。

 会社に着くと早速、社長室へ向かった。私の依願退職の件と新会社設立の件を社長に説明・・・というより、命令した。もちろん「心縛法」を使って。

 自分で新会社を立ち上げたりするのは面倒なので、この会社の社長に全部やらせた。新しい会社の社長にもなってもらった。設立資金、登記他すべてこの社長にやらせることに決めた。
 社長は月に数回事務所に顔を出すだけでいい。しかも短時間。
 私とレイコの時間を邪魔されないように。

 その他 細々としたことを社長と取り決めると、その日は家へ帰った。
 次の朝、会社の上司や同僚に退職の挨拶をすると、あまりに突然なことなので皆、唖然としていた。
 退職金は たんまり出させるつもりでいたのだが、規定どおりの金額をうけとることにした。誰かに詮索されて、変な噂がたったりするのを避けるためだ。私は矛盾を嫌った。
 そのかわり、社長個人から会社設立までの当面の準備金と言う名目で、相当な額の金を内々に受け取った。・・・準備といっても何もないのだが。

 新会社の名前は「Rコーポレーション」することにした。たまたま この社長の名前のイニシャルに「R」がついていたので、社長はたいそう喜んだが、私としては当然「レイコ」の「R」のつもりで考えた名前だ。まあ会社名の由来について尋ねられたとき、たまたま社長のイニシャルに「R」がついているのは都合がよかった。
 まさか事務員のなまえからつけたなんて、いえるはずもないし。

 新会社の準備が整うまでの数週間、社長からもらった金で、のんびりと過ごした。
 しかし、朝だけは会社にいた頃と同じように起きて、同じ時間に車で出かけた。もちろん例の自動販売機までタバコを買いに。

 以前は会社に出勤する時間がきまっていたので、「レイコ」に会えるまで待っているわけにはいかなかった。だから、時間がずれたりするとレイコに会えずに しぶしぶ 車を出した事もしばしばあったが、今ではそんなことは気にせず、レイコが あの路地から出てくるまで、販売機の前で時間をつぶした。だから、ほとんど毎日レイコの顔を見ることができるのだが、時には我慢できなくなり、そのままレイコを車にのせてラブホテルへ・・・なんて欲望もわいてくることもある。が、とりあえず なんとか我慢した。

「心縛法」があればなんとでもなるのはわかっているのだが、あさっぱらからそんなことをしている所を誰か知り合いに見られでもしたら、大変だ。

 とにかく、私は 社会の中で矛盾を起こすことを恐れた。ここで あわてて、すべてが水の泡となっては泣くに泣けない。それに 我慢の度合いが大きいほど、その欲望を遂げたときの快感もたかまるだろうから。

 他の男がこんな事を知れば馬鹿じゃないかと思うかもしれないが、現在私は禁欲中である。
「心縛法」を使えば、どんな女でも自由にすることができる。しかし、私はそれをしなかった。

それは私が潔癖な紳士だからではなく、ひとえに、レイコとの その時の快感を最高のものにするためである。

 季節は冬になり、新会社の準備も整った。


小説「ふしだらな妄想」(7)事務員募集 [小説]

7)事務員募集

 深夜の街歩きながら、この「心縛法」をどのように活用していこうかと 考えを巡らした。どんな相手でも自分の言いなりになるのだから、どんどん好きな事をやればいいようにも思うが、そこにとんでもない落とし穴が待っているような気がして私は慎重になったのだ。
 たぶん、ナチスドイツのヒトラー総統などもこの「心縛法」を知っていたのに違いない。だからこそ一介の貧乏画家がヨーロッパ全土を手中におさめることができたのだろう。

 でも この「心縛法」の欠点は、直接相手と会って命令しないと効果が無いことだ。

 ヒトラーはチャーチルやルーズベルトに直接会うことができなかった。だから 滅ぼされたのだ。仮に、チャーチル、ルーズベルトに会って心縛法をかけることができたとしても、ひどい政治をすれば、その恨みで必ず滅ぼされる。
 なぜなら、この地球すべての人たちに「心縛法」をかけることはできないからだ。

 つまり、目だった行動や、人に恨みをかうような行動は 慎んだほうがよい。
 そして、この社会のなかで矛盾が無いように暮らしていく必要がある。

 例えば、お金がほしいからといって、いきなり銀行に行って大金を出さす事は可能だが、それだと、社会的に矛盾が生じてしまう。
 銀行の経理も合わなくなるし、昨日まで普通のサラリーマンが急に金持ちになってしまうのも説明が付かない。 

 街をふらつきながら、そのような矛盾なく、金とレイコを手に入れる方法を考えた。
 
 そして東の空が明るくなって来るころにその答えを見出した。

 「楽な仕事で儲かる会社をつくって、その事務員として レイコを雇えばいいんだ。」

 

仕事は一日に2~3時間だけすればいい。レイコの他に社員は雇わない。仕事の済んだあとの時間は、事務所のなかでレイコと二人きりだ。そこで 何でも好きな事ができる。
  ・・・好きな事・・・
想像するだけで私の股間のものは熱くふくれあがった・・・。


小説「ふしだらな妄想」(6)夜の街 [小説]

東京などの大都会と違い、さすがにこのあたりの地方都市ではこの時間になると人影もまばらである。明かりのついている商店も少ない。
 とりあえずコンビニに入ってみる。缶コーヒーをひとつレジに持っていく。
「○X△☆☆~#<Ф これ10円にまけてくれない?」
「いいですよ。」
学生アルバイトらしい店員があっさり言った。
「冗談だよ。ちゃんと120円払うよ。」
防犯カメラもあるし、こんな事でややこしい事になりたくない。呪文を試してみただけだ。念のため解法の呪文を言っておく。
「★Ф☆○?ж■Ю ありがとう。」
「ありがとうございましたぁ。」
店員は何事もなかっようにレジを閉めると雑誌の棚の整理を始めた。

・・・魔法の効果は疑いない。しかし よく考えて使わないとあとあとややこしい事になる。例えば銀行に行って行員に金を出させるのは簡単だが、その後当然金を渡した行員は調べられるだろうし、防犯カメラの映像などから私のところに警察が来るのは避けられない。その警察を魔法で丸め込むのは簡単だが、そんな危ないことはしたくない。
 金を手に入れるのなら、大金持ちの個人からだ・・・。

 夜の街を歩きながら、いろいろ考えを巡らした。もしかすると歴史上の独裁者はこの魔法を知っていたのかも知れない。しかし私は、魔法を使って世界を手に入れたいなどという野望はない。歴史上の独裁者の末路は決して幸福ではなかった。おそらくこの魔法を使って、選挙に立候補すれば、簡単に当選するだろう。
 でも、それで日本の総理になったとしても、何が面白いんだ?面倒くさいだけだ。

 まず、明日になれば会社を辞めよう。社長に直接かけあって規定以上の退職金を出させてやろう。これまで安い月給で会社のために働いてきたんだ。それぐらいは当然の権利だ。

 その金を元手にして、コンサルタント会社でも起こそうか・・・。この魔法があれば、どんな会社を始めたって、きっとうまくいくだろう。創業の資金が足りなければ、今の会社の社長に出資させればいい。

 夢は次々と膨らんでいく。やろうと思えば何でもできるんだ。今までみたいに金の心配をしなくても暮らしていける。好きなものを買って、高級な車も、家もすべて手に入る。

 そして、好きな女も・・・・。

 ・・・・ああ レイコ・・・・君はもう僕の言いなりになるんだ。

「おっさん 何ニヤニヤしながら歩いてんだ。」
突然暗闇から2人の悪そうな若者が声をかけてきた。
「オレたち、ちょっと小遣いに困ってるんだ。貸してくんない?」
手にナイフらしきものを持っている。以前の私なら 腰を抜かしていたかもしれない。しかし今は違う。
「なんだと、恐喝するつもりか?○X△☆☆~#<Ф とりあえずそのナイフをしまえ。そうやって今までに何人から金を巻き上げたか正直にいってみろ!。」

若者たちは素直にナイフをしまうと一人が答えた。
「今日は、おっさんで2人目かな。いままで全部で言うと・・・10人・・・いや15人くらいかなぁ。なぁ、それぐらいだよな。」
もう一人の若者に同意を求める。
「もうちょっと やったんじゃないの。多分20人くらいだよ。」
「そう言われると、そうかもしんない。それぐらいだ。」

「よし、わかった。それじゃぁ 朝までマラソンだ。この一画を夜が明けるまで走り続けるんだ。休むんじゃないぞ。そして朝になったら警察に行って、今までやった恐喝の事を全部しゃべるんだ。そして二度とやるんじゃないぞ。」
私がそういうと若者たちは早速走りはじめ、街角を曲がって消えていった。

ははははは。もう世の中 怖いものなしだ。


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小説「ふしだらな妄想」(5)心縛法 [小説]

・・そこには何百という魔法の呪文がかかれてあった。・・・
しかし、困ったことにそこに書かれている何語ともつかない不思議な言葉は、メモにとってそれを読んでも、効力を発しないというのだ。 つまり 呪文は暗記しなければならない。しかも必ず、魔法を掛ける呪文と解く呪文が対になっている。この二つを必ず対にして暗記しておかないと、場合によっては、とても危険な状態に陥る可能性があるからだ。

詳細に読み始めるとくだらないものもたくさんあった。
火を自由に扱う魔法・・寒さに耐える魔法・・暗闇でも目が見える魔法・・明日の天気を知る魔法・・歯の痛みを和らげる魔法・・ など。

科学の発達していない昔に書かれた書物だけに、今となっては無理に魔法を使わなくても・・・と言う感じだ。意味が全く不明な項目も多い。
もっと今の私に役立つ魔法はないのか?
私は、数百もあろうかという項目の中で、意味のわからないもの、役にたちそうも無いものはどんどんとばして読み進めていった。
 そして、ついに見つけたのだ。この魔法を。

  
その項目は「心縛法」となっていた。人の心を自由に操れる魔法らしい。「コレだ!。」
私は思わず声をあげた。
この魔法を使えば、相手は必ず私の言いなりに行動するというのだ。しかも催眠状態のように無意識の行動ではなく、心から私の命令を実行させる事ができるとかいてある。
「コレだ、コレだよ。私が探していたのは。」
夢中になって読み進める。注意書きにあったようにその呪文を口に出さないように暗記する。
まずは魔法を掛けるための呪文。
「○X△☆☆~#<Ф」
何度も心の中で繰り返す。
「○X△☆☆~#<Ф」
「○X△☆☆~#<Ф」
よし 覚えた。
次は魔法を解くための呪文だ。
「★Ф☆○?ж■Ю」
「★Ф☆○?ж■Ю」
「★Ф☆○?ж■Ю」
うん 大丈夫。両方暗記した。

もう夜中である。妻はとっくに寝ている。しかしこの魔法を今すぐに使ってみたい。寝室に行って妻をゆり起こしてこう言った。
「○X△☆☆~#<Ф 今から浮気しに出かけてくるよ。朝までには帰るからおまえはねてろ。」
もし魔法がきかなかったら妻が許すわけが無い。その時は冗談ということで済まそう。

「ええ。いいわよ。気をつけてね。」
と、妻はあっさり言うと再び寝始めた。魔法が聞いているとしか思えない。再び妻をゆり起こすと念を押すようにもう一度言った。
「これから、浮気をしに行くんだ。いいんだな。」
「いいって言ったでしょ。早く行かないと朝になっちゃうわよ。」
「わかった。それじゃおやすみ。」

ヤッター!間違いない。本当に魔法ってあるんだ。


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小説「ふしだらな妄想」(4)日記帳 [小説]

「ねえ。あの日記帳どうしたの?」
 「日記帳?」
 「あなたの机の上においてあるやつよ。掃除してるときに見つけたんだけど、あれって日記帳でしょ?こんな中途半端な時期に日記始めるの?」
 「いや。・・・言ってることがよくわかんないなぁ。」
 「またまたぁ・・・・茶色の革表紙の日記帳みたいなの 置いてたでしょ。」

 次の日 会社から帰ってからの妻との会話は こういう風に始まった。

 「・・・あぁ、あれね。景品だよ。タバコの自動販売機で当たったんだ。」

 私は昨日の朝の 自動販売機の顛末を妻に話した。もちろん レイコのことなどには一切触れずに・・・。

 「なっ。笑っちゃうだろ。」
 「へぇー、でもそんな自動販売機があるなんて全然知らなかった。」
 「オレもだよ。だからさぁ、もう おかしくておかしくて・・・。 でも なんであの本が日記帳なの?」

 「本?本じゃないでしょ。だって何も書かれてなかったし・・・。」
 「・・・・・???・・・・。いや 本だよ。あけて中を見たのか?」

 私のただならぬ表情に気付いた妻は、弁解がましいことを言い始めた。

 「ええ、見たわよ。ノートみたいに線があるだけで、文字なんてなーんにも書かれてなかったじゃない。・・・・ねぇ 怒ってんの? そりゃぁ 私だって、初めからあなたの日記帳だとわかってれば、ひらいたりしなかったわよ。いくら夫婦でもそれぐらいの礼儀はわきまえているつもりよ。でも 最初は日記帳だなんてこと わかんなかったし・・・ それに、だいたい、何も書かれていない日記帳を見られたからって、怒る事ないじゃない・・・・。」

 「いや。別に怒ってないよ。ちょっと まって。」

 私は自分の机に 例の革張りの本「魔法の書」を取りに行った。

・・・・確かに見た目は日記帳のように見えるが・・・・
 しかし 間違いなく 表題「魔法の書」 の文字は見える。
 ページをめくってみても、例の手書き文字があふれている。
 白紙のページは見当たらない・・・。

 『魔法の書 については、この本を所有する者のためだけにあって、決して多くの人の目に触れさせるべきではない。 そのために、この本にはある仕掛けがしてある。』

 ・・・ある仕掛け?・・・・ まさか・・・・

 私はその本を開いて、いろいろな角度から見てみた。近づけたり離したりもしてみたが、その文字が消えて見えなくなるということは無い・・・。

 とにかく もう一度妻に見せようと思い、この「魔法の書」をもってリビングへ戻った。

 

 「これのことだろ?」
 妻に「魔法の書」の表題が良く見えるように渡した。
 「ええ、そうよ。まだ何も書いて無いんでしょ。開くわよ。」
 妻は、ページをパラパラとめくった。
 「あれっ?・・・・これって日記帳じゃないわね。」

 ・・・・ほっ・・・ なんだ やっぱり 文字が見えてるんだ・・・

 「・・・だって、日付とか 書く欄がないもんね。・・・ただのノートなんだ。」

 ええーっ!冗談だろ?
 妻がその「魔法の書」を私に手渡すほんの1~2秒の間に、頭をフル回転させた。
 
 ・・・この場合 妻が私にウソや冗談を言うだろうか・・・?

 いや、そんなはずはない。もし冗談で私のことをからかっているとしても、こんなにいつまでも演技ができる妻ではない。人間には3通りの人がある。冗談を言うときに顔に出る人、全く表情を変えずに冗談が言える人、そして はじめから冗談など全く言わない人・・・。
 私の妻の場合は 間違いなく 冗談が顔に出るタイプだ。

 念のため 翌日から私は この「魔法の書」を 会社の同僚や友人たちに見せてまわった。
誰一人 そこに文字が書かれていると指摘する者はいなかった。
・・・間違いない。この本の文字は所有者である私にしか見えないのだ・・・。

 俄かには信じられないが、もしかするとこいつは本当に「魔法の書」なのかもしれない。そうおもいだした私は、文語辞典を購入して 本気で この小難しい文章の解読に取りかかった。

 もちろん昼間は会社に行かなければならないので、解読はもっぱら 妻が寝てからの深夜の作業となった。


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