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小説「ふしだらな妄想」(15)Rコーポレーション [小説]

休憩を終えたレイコが更衣室から出てきた。なんとなく下を向いている。
・・・あれから、声をかみ殺して最後までイッたな・・・
私は意地悪な質問をした。
「ん?どうした?なんだか顔が紅いぞ。」
 彼女はもじもじして、私の問いに答えかねている。
私は、非の打ち所が無いほどの美しい顔をしたレイコをいじめる事に少し快感を感じていた。
「・・・・」
レイコは答えない。
そりゃそうだ。休憩時間にオナニーしてました。なんていえるわけがない。そこで私は彼女に助け舟をだした。

「いきなりハードな研修をしたからつかれたかな?でも、昼からは君の歓迎会を予定してるから、午前中に残りの研修をすませたいんだ。もう少しがんばってくれ。」
私の質問に答えなくてもよくなって、彼女の表情は若干明るくなり「はい。」と答えた。

・・・午後の歓迎会、これこそが私が待ちに待った瞬間だ。歓迎会でたっぷりかわいがってやる。・・・

「それじゃあ、さっきの要領で顧客名簿を開いてみて。」
デスクにつくと早速研修の続きを始めた。歓迎会までは、まじめにやろう。さっきみたいな事をしてたら、午後まで体がもたない。

「これが、わが社のお客様。約20社あるけど、全部有名な大企業ばっかりで君も知ってる名前がいくつもあるだろ。」

 わが社 Rコーポレーションは契約コンサルタントの会社である。大企業が難渋している契約やこの仕事は絶対に取りたいが、契約相手がなかなか ウンといわずに困っている・・・。などというときにわが社に電話がかかってくる。そこで私の出番だ。私はお客様の企業の契約担当者と相手先に出かけて行き、「心縛法」を使って強引に契約をまとめてしまう。その結果 契約できた企業から契約高の3パーセントがコンサルタント料としてわが社に振り込まれる。

 これが、Rコーポレーションの仕事である。

 顧客は大企業ばかりなので、億単位の商談はざらにあり、3パーセントのコンサルタント料といっても、一回の契約成立で数百万円から数千万円の収入になる場合が多い。

 しかも、商談に別の会社の社員が立ち会うというのも不自然なので、形だけだが、私はこの20社の顧客企業の社員という事になっている。そう、私の机の中には、Rコーポレーション以外に20種類の名刺がはいっている。そして当然、各企業から毎月給料が振り込まれる。1ヶ月間全く何の契約にもかかわらなくても、給料だけは振り込まれる事になっている。その額は、各企業ごと月20万円である。つまり顧客の企業からコンサルタント料のほかに、月に400万円が給料として私個人に支払われる。

 「心縛法」のおかげで、こんな仕事も難なくこなせてしまう。金は億単位でいくらでも入ってくる。

以上のようなことをレイコにかいつまんで説明した。(もちろん心縛法云々は省いて)

「まず、仕事の依頼の電話がかかってくると、この顧客名簿をひらいて電話の相手の企業名をクリックするんだ。」
私は実際にパソコンの画面をクリックしてみせた。
「すると画面が、私の仕事の予定表に切り替わる・・・。」
画面が日にちと時間で区切られた予定表に切り替わった。

「この、赤で塗りつぶされているところは、もう仕事が入っている部分だ。だから、赤くなってない あいている日にちと時間を相手におしえて、予定をいれてもらいたい。わかるね?」

予定の入っていない表の白い部分をクリックすると、そのマスが赤に変わり、その顧客名前が表示された。

「これで完了。簡単だろ?これが君の仕事だ。じゃあ、実際にやってみようか。」

今度は私が顧客の役をしてレイコにパソコンの操作をさせた。多少ぎこちなかったが、レイコは完璧に手順を覚えていた。

「上出来だ。それじゃあ、これから一番重要な事を言うよ。ほら、予定表のここに【同期】とかいたボタンがあるだろ。」私は画面の片隅を指差した。

「仕事の依頼を受けるときは、その前に必ずこの【同期】ボタンを押す事!いいね。ちょっと押してみて。」レイコが【同期】ボタンをクリックする。・・・何も起こらない・・・。
彼女が怪訝そうな表情で私を見る。
「【同期】ボタンを押しても何も変わらなければ、それでよし。でもね・・・ちょっとまって。」

私は自分のデスクにある私のパソコンをちょっと操作して
「もう一度【同期】ボタンを押してみてごらん。」といった。
「あらっ!」
レイコが軽い感嘆の声をあげる。今まで白かったマスが赤色に染まっている。

「ねっ。君と僕のパソコンはつながっていて、同じ予定表になってるはずなんだけど、その【同期】ボタンを押さないとデータが別々のままなんだ。例えば、君がいないときに私が仕事の依頼をうけて予定をいれたとしても、君がそのボタンをおして2つのパソコンのデータを同期させるまでは、君のパソコンのデータはふるいままだ。それをせずに君が仕事の依頼をうけっちゃったら、予定がブッキングするかもしれないからね。そこんところは充分注意してね。」

「わかりました。気をつけます。」

「それからもう一つ。予定表は午前の時間しかかいてないだろ。午後はここでデスクワークをするから、昼からの仕事は請けないんだ。お客さんも、そのことは知ってるから、午後の仕事は依頼してこないと思うけど、もしどうしても午後じゃなきゃだめだっていわれたら、一旦電話を切って必ず私に連絡するように。私から直接電話して、決めるから・・・。」

・・・本当は午後はレイコと思いっきりエッチなことをしてすごそうと思ってるから仕事はとらないんだ・・・。

「以上で説明は終わり。ちょうどお昼だな。このビルの1階にレストランがあるから、質問があったらそこでランチを食べながら聞こうか。さぁ行こう。」

私は軽く彼女の腰に手を回すとドアのほうへいざなった。


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